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なぜ?あなたのような貧乏人(失礼!笑い)が相続税に関心を持たなければならなくなったのですか?生前贈与すると相続申告義務に注意下さい! ぜひ「しっかり」上手なご対応を!
1.財産の贈与
≪事例研究≫
2013年5月5日、竹林次郎さん(当時62歳。仮名)は、本人名義の上場
株式の売却代金1,500万円と、本人名義の不動産の売却資金2,000万円の
合計3,500万円余を、長女夏子さん(当時25歳。仮名)名義の預金口座に
振り込んで貯金した。
贈与税は申告をしなかった。申告をしなければならないと云う意識もな
かった。
2013年10月、税務署から「不動産売買」のお尋ね書が来ていたがそれに
回答するのを積極的に怠ったわけではなく何となく対応しなかった。不信
に思った税務署は、2014年1月に電話を掛けてきたが、竹林さんは、返答
に窮して、忘れていたと回答した。
税務署は、実態を「贈与」と認め、上場株式の差益100万円と、不動産
の譲渡益200万円について、本人の申告漏れを指摘し、同時に、その300
万円の贈与を認定して贈与税を課してきた。
竹林次郎さんの個人申告漏れは致し方ないとして、贈与税はコマメに、
毎年、贈与契約書をつくり、その都度、年間で110万円以内の金額を、娘
に振り込んで、娘の夏子さんが預金口座を管理していれば、贈与税は免れ
たはずです。もったいない、もったいない!
≪事例研究≫
大山裕司さん(48歳。仮名)は、友人から、住宅資金を援助するのは無税だと
聞いて、以前から、勉強部屋として、自分のアパートが欲しいと云う長男の亮太
君(23歳。仮名)に、亮太君の誕生日のプレゼントとして、取敢えず頭金1,000
万円を出すことを約束し、2013年2月18日に、裕司さんの口座から息子の口座
に振り込んだ。
非課税扱いになると思っていたので、非課税届けを出さなかった。
亮太君は、それを元手に、A銀行の融資を受けて、3月25日に、1,500万円で
足立区のワンルーム・マンションを購入し、手続きの一切を完了した。
10月に、亮太君に税務署から不動産のお尋ね書が届き、びっくりした。しかし
不動産を買ったら必ず来る書類と知って、安心して、記載内容を友人の経理事務
の仕事をしている田中愛子さん(仮名)に相談した。「その1,000万円」は、父
からもらって、事前に届出をしていないと贈与になると云われて、父に相談し、
裕司さんが亮太君に資金を貸したと云うことにして、田中愛子さんに、金銭消費
貸借契約書を作ってもらい、2013年2月18日の日付で署名押印した。そして、9
か月据え置きで、金利なし・15年の月次返済とし、11月から、亮太君は裕司さん
の口座に、返済金を支払うこととした。そして、不動産購入の「お尋ね書」に、
契約書の写しを添付して、提出した。
その後、税務署からは何も言って来ていない。
(コメント)
ウーン…。密室の犯罪だから、バレなければ、税務署も違法を立証できないと
思います。しかし、危ない、あぶない!住宅購入や多額の教育資金の一括贈与等
は、事前の手続きが必要です。注意しましょう。
2.国外財産の保有
≪事例研究≫
新宿区の旧家で元々裕福な大内綾香さん(52歳。仮名)は、都内の大手デパート
の大幹部です。2005年6月にシンガポールの友人の勧めで、10年定期の5,000万
円のオフショア預金(年利4%)をしています。
2014年4月のある日、その話を、勤め先の新入社員懇談会の席で「皆も頑張れ
ば、5,000万円ぐらいは預金が貯まるから…」と、うっかり、シンガポールの話を
同僚にしゃべってしまった。珍しい話に、噂は瞬く間に、広がった。2014年8月
大内綾香さんの住む町の税務署から電話が入りました。
「実は、シンガポールに5,000万円の預金があると云うこと、お話を伺いたい
のですが、もし、そうであれば、お金の出所をお伺いしたいのですが…」と丁寧
な口調でありました。
「なお、平成25年12月現在の5,000万円を超える国外財産は「国外財産調書」
を平成26年3月までに、お出し戴くことになっておりますので、直ぐに対処を、
お願いします。」という指導も入りました。
(コメント)
大内綾香さんは、税務署に行って、指導をうけ「国外財産調書」を提出しまし
た。ただ5,000万円の出所の説明、国外への多額の送金の仕方と、国への報告につ
いては、今、調査中となっております。
もちろん利息収入は、日本国に住所がある人(居住者という)は、全世界の収入
に対して、税金を払うことになっているので、過去5年に渡って、修正申告するこ
とになりました。
もし、その5,000万円が、老親の財産を、自分の口座に入れて運用をしていたと
すれば…(贈与)。また、その際、送金をせず何回かに分けて飛行機で所謂「ハ
ンドキャリー(手運び)していたとすれば、その違法性ゆえに、説明がしにくく
なり、贈与の話が少し現実味を帯びてきます。この点についても、賢明な答弁が
求められます。
口は禍の元、などと云う話ではなく、税金の申告・納税は適正に行わないと、
社会的な信用もなくすことになります。気を付けませんか?