相続税が課税される場合 みなし遺贈者  みなし受遺者   課税対象
 @ 委託者の死亡によって信託の効力が生じた場合  委託者  受益者等(注1)   信託財産に属する資産及び負債を取得又は承継したものとみなす(注2)。
 A   受益者等であった者の死亡によって新たな受益者等が存することとなった場合  受益者等であった者  新たな受益者等   信託財産に属する資産及び負債を取得又は承継したものとみなす(注3)
 B 受益者等であった者の死亡によって一部の受益者等が存しなくなった場合   一部の受益者等であった者   信託についての新たな利益を受ける既存の受益者等   信託財産に属する資産及び負債を取得又は承継したものとみなす。
 C   受益者等であった者の死亡によって信託が終了し、残余財産の給付を受けるべき又は帰属すべきとなった場合   終了時の受益者等   残余財産の帰属又は給付を受ける者   受益者として有していた権利に相当するものを除く信託の残余財産を取得したものとみなす。
 相続税の課税財産としての遺贈により取得した利益(経済的利益)とみなされる「信託に関する権利」についてご説明しましょう。

 信託行為や信託に係る受益者の変更などがあった場合の信託(退職年金の支給を目的とする特定の信託を除く)の利益委託者信託の利益を受ける権利と表現されます。

イ)委託者(被相続人)が受託者(信託銀行)に生前遺産を信託します。信託の利益は、委託者の死亡を条件に、受益者に渡されます。受益はは例えば、推定未亡人とかです。

ロ)委託者は、信託の利益を受ける権利は「遺言で変更」できます。だから遺言により例えば上記「推定未亡人」に変更しておけば、推定被相続人は、連れ添った妻に「信託の利益」を渡すことができ、その妻の老後の安泰をより確かなものにできます。

 新しい信託法(同法律第108号。以下信託法といいます)が、平成19年9月30日に施行されました。遺言によってされた信託にあっては信託法施行日以後に遺言がされたものについて適用されることとされました(平成19年改正法附則49@)。信託税制では、委託者や受益者等の死亡に基因して適正な対価を負担せずに信託の受益者等となった場合(例:委託者以外の者が受益者等となった場合など)や信託に関する利益を受けた場合に遺贈によって財産の取得があったものとみなされ、受益者等が存する信託の課税関係は、次の@号からC号までのようになります(相法9の2)。


















 注記
 1 「受益者等」とは、信託の受益者として現に権利を有する者及び特定委託者をいいます
  (相法9の2(彰、相基通9の2−1)。
   また「特定委託者」とは、信託の変更をする権限(他者との合意によりできる権限を含み
  信託の目的に反しないことが明らかである場合に限り変更できる権限を除きます。)を現に
  有し、かつ、当該信託の信託財産の給付を受けることとされている者(受益者を除く)を
  いいます(相法9の2D、相令1の7、相基通9の2−2)。
 2 受益者等の有する信託に関する権利が全部でないときは、その受益者等が一である場合に
  は、その受益者等が当該権利の全部を有するものとし、その受益者等が二以上である場合に
  は、当該権利の全部をそれぞれの受益者等が当該信託に関する権利の内容に応じて有する
  ものとされます(相令1の12B)。
 3 受益者連続型信託に関する権利(収益に関する権利が含まれていないものを除く)で利益
  を受ける期間の制限その他の権利の価値に作用する要因としての制約が付されているものに
  ついては、当該制約が付されていないものとみなされます(相法9の3@)。
   なお、受益者連続型信託とは、信託法第91条(受益者の死亡により他の者が新たに受益権
  を取得する旨の定めのある信託の特例)に規定する信託、同法第89条第1項(受益者指定権等)
  に規定する受益者指定権等を有する者の定めのある信託その他これらの信託に類するものを
  いい、相続税法第9条の3第1項の規定は、信託法施行日以後に信託に関する権利(当該権利
  に係る利益及び当該信託に係る残余財産を含む)を取得する場合について適用されます
  (平成19年改正法附則49A)。
 
   備考:上記の表中で「相続税が課税される場合」欄に記載の各場合が、委託者や受益者等
  であった者の死亡を原因とするものではないときは、各々贈与税が課税される場合となりま
  す。この場合「みなし遺贈者」欄の者は「みなし贈与者」と、「みなし受遣者」欄の者は、
  「みなし受贈者」となります。出所:青木公治「平成24年版図解相続税・贈与税」大蔵財務
  協会



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